生命保険が相続対策に強いと言われる4つの理由
相続対策における生命保険の役割は、単なる「保障」にとどまりません。被相続人の生前に保険に加入しておくことで、相続が起きたあとのご家族をさまざまな面で支えてくれます。まずは、生命保険が相続対策に有効と言われる4つの理由を整理いたします。
相続税を減らせる
確実に渡せる
受け取れる
に使える
- 理由1:非課税枠による節税――死亡保険金には「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があり、現金や預金で遺すより相続税の課税対象を小さくできます。
- 理由2:受取人を指定できる――保険金は受取人固有の財産となり、遺産分割協議によらず、契約で指定した人に確実に渡せます。
- 理由3:現金がすぐ手に入る――被相続人の預金口座は相続発生で原則凍結されますが、保険金は受取人が請求すれば数日〜2週間程度で支払われます。
- 理由4:納税資金・代償金になる――受け取った保険金を、相続税の納税や、不動産を相続する人が他の相続人に支払う代償金にあてられます。
死亡保険金の非課税枠――「500万円×法定相続人の数」のしくみ
生命保険の相続対策としての最大の魅力が、死亡保険金の非課税枠でございます。被相続人が亡くなったことにより支払われる死亡保険金のうち、被相続人が保険料を負担していたものは相続税の課税対象になりますが、そのうち一定額までは非課税とされています(相続税法第12条第1項第5号)。
= 500万円 × 法定相続人の数
たとえば法定相続人が配偶者と子2人の合計3人であれば、非課税限度額は500万円×3人=1,500万円となります。死亡保険金の合計が1,500万円までであれば、相続税は一切かかりません。同じ1,500万円を現金や預金で遺せば、まるごと相続税の課税対象になりますから、その差は歴然でございます。
複数の相続人が受け取ったときの非課税枠の按分
非課税限度額は、保険金を受け取った相続人ごとに、受け取った金額の割合で按分されます。たとえば非課税限度額1,500万円で、配偶者が2,000万円、長男が1,000万円の保険金を受け取った場合、それぞれの非課税額は次のように計算します。
- 非課税限度額を計算する 500万円 × 3人(配偶者・長男・次男)= 1,500万円。
-
各人の受取額の割合で按分する
配偶者:1,500万円 ×(2,000万円 ÷ 3,000万円)= 1,000万円。
長男:1,500万円 ×(1,000万円 ÷ 3,000万円)= 500万円。 -
受取額から非課税額を差し引く
配偶者の課税対象:2,000万円 - 1,000万円 = 1,000万円。
長男の課税対象:1,000万円 - 500万円 = 500万円。
このように、非課税枠は受け取った相続人それぞれに受取額の割合で配分されるのが原則でございます。なお、保険金を受け取らなかった相続人(この例では次男)がいても、非課税限度額の計算上の「法定相続人の数」には含めて計算します。
「みなし相続財産」とは――本来の遺産ではないのに課税される理由
ここで一つ、大切な前提を確認しておきます。生命保険の死亡保険金は、厳密にいえば被相続人がもともと持っていた財産(本来の相続財産)ではありません。保険金は、被保険者の死亡を原因として保険会社から受取人に支払われるもので、受取人が保険契約に基づいて受け取る「受取人固有の財産」でございます。
それにもかかわらず相続税の課税対象になるのは、相続税法が死亡保険金を「みなし相続財産」として扱っているためです(相続税法第3条第1項第1号)。実質的に見れば、被相続人が支払った保険料が原資となり、その死亡をきっかけにご遺族に経済的価値が移転する点で、相続財産と同じだからでございます。だからこそ、本来の相続財産ではない保険金にも、相続税が課されるのです。
非課税枠が使えない人――相続放棄者・相続人以外の落とし穴
死亡保険金の非課税枠は強力ですが、誰が受け取っても使えるわけではありません。非課税枠を使えるのは、保険金を受け取った人が相続人である場合に限られます。ここを誤解すると、せっかくの非課税枠がまったく使えないという事態が起こります。
相続放棄をした人が受け取った場合
相続放棄をした人でも、保険金の受取人に指定されていれば、死亡保険金そのものは受け取れます。保険金は受取人固有の財産であり、相続財産ではないからです。しかし、相続放棄をするとその人は「相続人ではなかった」ことになるため、非課税枠は一切使えません。受け取った保険金は全額が相続税の課税対象になります。
相続人以外(孫など)が受け取った場合
孫やお世話になった親族など、法定相続人でない人を受取人に指定することもできますが、その場合も非課税枠は使えません。さらに、相続人以外の人が財産を取得すると、相続税額が2割加算される対象になります(相続税法第18条)。「かわいい孫に保険金を遺したい」というお気持ちは自然ですが、税負担の面では不利になることが多いのでございます。
非課税枠を活かすなら、受取人は「相続人」に
死亡保険金の非課税枠を最大限に活かすには、受取人を配偶者や子などの法定相続人に設定することが基本でございます。とりわけ「孫を受取人にしたい」「すでに相続放棄を予定している人を受取人にしている」といったケースでは、非課税枠が使えないうえに2割加算の対象にもなりかねません。受取人の設定は、相続税への影響まで考えて決めることが大切です。
法定相続人の数え方――放棄者を含める/養子のカウント制限
非課税限度額の計算に使う「法定相続人の数」は、相続税法独自のルールで数えます(相続税法第15条第2項)。基礎控除の計算と同じ考え方で、次の2点に注意が必要です。
その1:相続放棄をした人も「数」には含める
相続放棄をした人がいても、非課税限度額の計算上の「法定相続人の数」には、その放棄がなかったものとして含めて数えます。たとえば本来の法定相続人が子3人で、そのうち1人が相続放棄をした場合でも、非課税限度額は500万円×3人=1,500万円で計算します。ただし、第4章でご説明したとおり、放棄した本人が保険金を受け取っても、その本人は非課税枠を使えません。「数には入るが、本人は使えない」という点を混同しないようご注意ください。
その2:養子は人数制限がある
法定相続人の数に含められる養子の数には、上限が設けられています。これは、養子縁組を増やして非課税枠や基礎控除を不当に膨らませることを防ぐためでございます。
| 被相続人に実子がいるか | 法定相続人の数に含められる養子の数 |
|---|---|
| 実子がいる場合 | 養子は1人まで |
| 実子がいない場合 | 養子は2人まで |
たとえば実子2人・養子3人のご家庭では、法定相続人の数に算入できる養子は1人までですから、非課税限度額は500万円×(実子2人+養子1人)=1,500万円で計算します。なお、特別養子縁組による養子や、配偶者の連れ子を養子にした場合などは、この人数制限の対象外として実子と同様に扱われます。
契約形態で税金が変わる――相続税・所得税・贈与税の3パターン
生命保険でもっとも見落とされやすく、しかも影響が大きいのが契約形態でございます。誰が保険料を負担し、誰に保険がかけられ、誰が受け取るか――この組み合わせによって、同じ死亡保険金でもかかる税金の種類がまったく変わります。相続税の非課税枠を使うつもりが、所得税や贈与税になってしまうこともあるのです。
| 契約者 (保険料負担者) |
被保険者 | 受取人 | かかる税金 |
|---|---|---|---|
| 父 | 父 | 子 | 相続税 非課税枠が使える |
| 子 | 父 | 子 | 所得税 (一時所得) |
| 母 | 父 | 子 | 贈与税 最も税負担が重くなりやすい |
パターン1:契約者=被保険者(相続税・非課税枠あり)
父が自分自身に保険をかけ、保険料も父が負担し、受取人を子にするケースです。父の死亡で支払われる保険金はみなし相続財産として相続税の対象になり、「500万円×法定相続人の数」の非課税枠が使えます。相続対策として生命保険を活用する場合、基本となるのがこの形でございます。
パターン2:契約者=受取人(所得税・一時所得)
子が契約者となって保険料を負担し、父に保険をかけ、受取人も子にするケースです。この場合、保険金は子自身の一時所得として所得税・住民税の対象になります。一時所得は「(受け取った保険金 - 払い込んだ保険料 - 特別控除50万円)× 2分の1」で計算され、課税対象が圧縮されるため、ケースによっては相続税より有利になることもあります。
パターン3:契約者・被保険者・受取人がすべて別人(贈与税)
母が契約者・保険料負担者、父が被保険者、子が受取人といった、3者がすべて異なるケースです。この場合、母が保険料を負担して子が保険金を受け取る形になるため、母から子への贈与とみなされ、贈与税がかかります。贈与税は相続税・所得税より税率が高くなりやすく、3パターンのなかでもっとも税負担が重くなりがちでございます。意図せずこの形になっているケースは少なくないので、注意が必要です。
「保険料を誰が払っているか」が決定的に重要
税金の種類を決めるうえでもっとも重要なのは、契約者の名義そのものではなく「実際に誰が保険料を負担していたか」でございます。契約者は子の名義でも、実際の保険料を父の口座から支払っていれば、税務上は父が負担者とみなされることがあります。相続対策で生命保険に加入する際は、必ず契約形態(契約者・被保険者・受取人)と保険料の負担者を確認してから契約することが大切です。
受取人指定の威力――遺産分割協議の対象外で確実に渡せる
生命保険のもう一つの大きな強みが、受取人を指定できることでございます。前述のとおり、死亡保険金は受取人固有の財産であり、遺産分割協議の対象になりません。これは実務上、たいへん大きな意味を持ちます。
「特定の人に確実に渡せる」
遺産分割協議では、相続人全員の合意がなければ財産を分けられません。話し合いがこじれれば、預金口座は凍結されたまま長期間動かせなくなることもあります。一方、保険金は受取人が単独で請求でき、ほかの相続人の同意は不要です。「介護をしてくれた長女に多めに遺したい」「事業を継ぐ長男に確実に資金を渡したい」といった意向を、生命保険なら確実にかなえることができるのでございます。
「すぐに現金が手に入る」
被相続人が亡くなると、その預金口座は原則として凍結され、遺産分割が確定するまで自由に引き出せなくなります(一定額までの仮払い制度はありますが限度があります)。これに対し、死亡保険金は受取人が保険会社に請求すれば、通常数日から2週間程度で支払われます。葬儀費用、当面の生活費、相続税の納税資金など、相続直後に必要になる現金を、すばやく確保できるのです。
納税資金と代償分割の原資としての生命保険
生命保険は「節税」の文脈で語られがちですが、実務でそれ以上に重宝されるのが納税資金対策と代償分割の原資としての役割でございます。
納税資金対策
相続税は、原則として相続開始を知った日の翌日から10か月以内に、現金で一括納付するのが原則です。ところが、遺産の大半が不動産や自社株で、現金がほとんどないご家庭では、納税のために慌てて不動産を売却したり、借入をしたりせざるをえないことがあります。生前に生命保険に加入し、相続人を受取人にしておけば、その保険金を納税資金として確実に確保できます。相続が起きてすぐに現金が手に入るという生命保険の特性が、ここで活きるのでございます。
代償分割の原資
「自宅や事業用地は長男に継がせたいが、ほかの子にも公平に分けたい」――こうした場合に使われるのが代償分割です。長男が自宅などの現物を相続するかわりに、ほかの相続人に対して自分の財産から代償金を支払う方法でございます。しかし、長男に十分な現金がなければ代償金を払えません。そこで、長男を受取人とする生命保険に加入しておけば、受け取った保険金を代償金の支払いにあてることができます。分けにくい財産を、争いなく公平に分けるための、有効な備えになるのでございます。
「分けにくい財産」が多いご家庭ほど、生命保険が効く
遺産が自宅や事業用地、自社株など分けにくい現物資産に偏っているご家庭では、遺産分割でもめやすく、納税資金にも困りがちです。生命保険は、こうしたご家庭に「すぐ使える現金」を用意し、特定の相続人に確実に届け、納税や代償金にあてられるという、いくつもの課題を同時に解く備えになります。「うちは現金が少なくて不動産ばかり」という方こそ、生命保険の活用を検討する価値が大きいのでございます。
生命保険金は遺留分・特別受益の対象になるのか
生命保険を活用するうえで、しばしば問題になるのが「特定の相続人だけが多額の保険金を受け取ると、ほかの相続人との公平はどうなるのか」という点でございます。これは民法上の特別受益や遺留分との関係で論点になります。
原則――保険金は特別受益にあたらない
死亡保険金は受取人固有の財産であり、相続財産ではありません。したがって、原則として特別受益(生前贈与などの先渡し分として遺産分割で持ち戻す財産)にはあたらないとされています。最高裁も、保険金受取人である相続人が受け取った死亡保険金請求権は、原則として特別受益に準じて持ち戻しの対象にはならない、との判断を示しています(最高裁平成16年10月29日決定)。
例外――著しく不公平な場合は持ち戻しの対象に
ただし、この最高裁決定は重要な例外も示しています。保険金の額が遺産総額に比して著しく大きいなど、ほかの相続人との間に生じる不公平が、とうてい是認できないほどに著しい特段の事情がある場合には、特別受益に準じて持ち戻しの対象になりうる、としているのでございます。たとえば「遺産のほとんどが保険金で、ある相続人がそのほぼ全額を受け取り、ほかの相続人の取り分がほとんどない」といった極端なケースでは、争いになる可能性があります。
ケースで見る節税効果――現金で遺す場合と保険にする場合
具体的な数字で、生命保険の非課税枠による節税効果を確認いたします。前提条件は次のとおりです。
- 被相続人:父
- 相続人:子3人(母はすでに他界)
- 父の財産:金融資産1億5,000万円
- パターンA:1億5,000万円をすべて現金・預金のまま遺す
- パターンB:そのうち1,500万円を一時払い終身保険にし、子3人を受取人に指定(残り1億3,500万円は現金)
| パターンA (全額現金で遺す) |
パターンB (1,500万円を保険に) |
|
|---|---|---|
| 現金・預金 | 1億5,000万円 | 1億3,500万円 |
| 死亡保険金 | 0円 | 1,500万円 |
| 保険金の非課税枠 (500万円×3人) |
― | ▲1,500万円 |
| 相続税の課税価格 | 1億5,000万円 | 1億3,500万円 |
| 基礎控除 (3,000万円+600万円×3人) |
4,800万円 | 4,800万円 |
| 相続税の総額 (速算表で概算) |
約1,495万円 | 約1,210万円 |
同じ1億5,000万円の財産でも、そのうち1,500万円を生命保険にして非課税枠を活用するだけで、相続税の課税価格が1,500万円圧縮され、相続税の総額はおよそ285万円軽くなる計算でございます。やっていることは「現金の一部を保険に置き換えただけ」ですが、非課税枠の分だけ確実に税負担が下がります。これが生命保険の節税効果の本質でございます。
「使っていない非課税枠」はもったいない
死亡保険金の非課税枠(500万円×法定相続人の数)は、生命保険に加入していなければ、当然ながら1円も使えません。多くのご家庭で、この非課税枠が「使われないまま」になっています。預金が一定額あるご家庭であれば、その一部を一時払い終身保険などに振り替えるだけで、確実に非課税枠を活用できます。まずはご自身の非課税枠がいくらあるかを把握し、それを使い切れているかを確認することが、生命保険活用の第一歩でございます。
生命保険の活用をめぐる7つの落とし穴
当センターのご相談現場で、実際によく見かける生命保険の活用をめぐる誤解と失敗を、7つに整理いたしました。
- 受取人を相続人以外(孫など)にして非課税枠を逃す 死亡保険金の非課税枠は、保険金を受け取った人が相続人である場合にしか使えません。孫などの相続人以外を受取人にすると、非課税枠が使えないうえに、相続税が2割加算される対象にもなります。
- 相続放棄をした人が受け取り、全額が課税される 相続放棄をした人でも保険金そのものは受け取れますが、相続人ではなくなるため非課税枠は一切使えず、受け取った保険金は全額が相続税の課税対象になります。
- 契約形態を誤り、相続税のつもりが所得税・贈与税になる 誰が保険料を負担し、誰が受け取るかで、相続税・所得税・贈与税のいずれかに分かれます。とくに契約者・被保険者・受取人が全員別人だと贈与税となり、税負担が大きく膨らみます。
- 受取人を「相続人」とだけ指定して争いになる 受取人を特定の個人名で指定せず「相続人」とだけ書くと、誰がどの割合で受け取るかをめぐってトラブルになることがあります。個人名と受取割合を明記しておくのが安全です。
- 受取人が古いまま放置されている 離婚した元配偶者や、すでに亡くなった方が受取人のまま放置されているケースが少なくありません。家族関係が変わったら、受取人の設定を必ず見直す必要があります。
- 「保険なら全額非課税」と思い込む 非課税になるのは「500万円×法定相続人の数」までです。これを超える保険金は通常どおり相続税の課税対象になります。非課税枠を超える大型保険には、別の節税効果(評価圧縮など)は基本的にありません。
- 保険金が遺産に偏りすぎて特別受益の争いになる 遺産の大半が保険金で、特定の相続人がそのほぼ全額を受け取るような極端なケースでは、ほかの相続人との不公平が「著しい」と判断され、持ち戻しの対象になる可能性があります(最高裁平成16年決定)。家族全体のバランスへの配慮が必要です。
「受取人が30年前の設定のまま、元妻になっていたケース」
60代男性Sさんからのご相談でございました。お父様が亡くなられ、生命保険の死亡保険金1,000万円を受け取ろうとしたところ、保険証券に記載された受取人が「妻 〇〇子」――それも、30年以上前に離婚した前妻の名前のままになっていたことが判明したのでございます。
お父様は離婚後に再婚され、後妻との間にSさんを含む3人のお子様がいらっしゃいました。ところが、若い頃に加入した生命保険の受取人を、離婚・再婚の際に変更し忘れたまま亡くなられたのです。保険金の受取人は契約上、前妻のままでしたから、原則としてその保険金は前妻に支払われる可能性がありました。ご家族は「父が前妻に1,000万円を遺すつもりだったはずがない」と、たいへん困惑されていました。
当センターでは提携の弁護士と連携し、保険会社との交渉、そして契約の経緯や父の意思を示す資料の整理をお手伝いいたしました。受取人変更がなされていない以上、解決は容易ではありませんでしたが、この一件はご家族にとって大きな教訓となりました。「生命保険は、入って終わりではない。受取人の設定を、人生の節目ごとに見直すことが何より大切」――Sさんは、ご自身やご親族の保険契約をすべて見直すきっかけにされたのでございます。受取人の確認は、いますぐ・無料でできる、もっとも基本的な相続対策でございます。
「生命保険は、節税と『争わない相続』を同時にかなえる備えです」
相続対策における生命保険の良さは、何より「手軽で、効果が確実」なことにございます。小規模宅地等の特例や生前贈与のように細かな要件に悩むことなく、加入して受取人を相続人に設定するだけで、「500万円×法定相続人の数」の非課税枠を確実に活用できます。預金が一定額あるご家庭であれば、その一部を一時払い終身保険に振り替えるだけで、すぐに節税につながります。
しかし私たちが現場で何よりお伝えしたいのは、生命保険の本当の価値は節税だけではないということです。受取人を指定することで「渡したい人に確実に渡せる」こと、相続発生後すぐに「現金が手に入る」こと、その現金を「納税資金や代償金にあてられる」こと――これらはすべて、遺されたご家族が争わずに済むための備えでございます。とくに遺産が不動産や自社株に偏り、現金が少ないご家庭ほど、生命保険の効果は大きくなります。
一方で、契約形態を誤れば相続税のつもりが贈与税になり、受取人を放置すれば思わぬ方に保険金が渡ってしまいます。当センターでは、提携税理士・ファイナンシャルプランナーと連携し、ご家族の構成・財産の内容に合わせて、非課税枠を最大限に活かす保険の設計から、既契約の受取人・契約形態の点検まで、中立的な立場でお手伝いしております(特定の保険商品の販売を目的とするものではございません)。「うちの非課税枠は使えているか」「受取人は今のままで大丈夫か」とお感じになったら、どうぞお早めにご相談くださいませ。お電話一本、LINEで結構でございます。
この記事のまとめ
- 死亡保険金には「500万円×法定相続人の数」の非課税枠がある(相続税法第12条)。同額を現金で遺すよりも相続税の課税対象を確実に減らせる。
- 死亡保険金は「みなし相続財産」として相続税の対象になるが(相続税法第3条)、民法上は受取人固有の財産で、遺産分割協議の対象にはならない。
- 非課税枠を使えるのは保険金を受け取った人が相続人の場合だけ。相続放棄者や相続人以外(孫など)が受け取ると非課税枠は使えず、相続人以外は2割加算の対象にもなる。
- 非課税限度額の計算上の「法定相続人の数」は、相続放棄者も含めて数える。養子は実子がいれば1人、いなければ2人までしか算入できない。
- 契約者・被保険者・受取人の組み合わせで、相続税・所得税・贈与税のいずれかに分かれる。相続税の非課税枠を使うには「契約者=被保険者、受取人=相続人」が基本。
- 受取人を指定できるため、渡したい人に確実に渡せる。預金が凍結される相続直後でも、保険金は数日〜2週間程度で受け取れる。
- 受け取った保険金は、相続税の納税資金や、現物を相続する人が他の相続人に支払う代償金の原資として活用できる。
- 保険金は原則として特別受益にあたらないが、遺産総額に比して著しく高額など著しい不公平がある場合は持ち戻しの対象になりうる(最高裁平成16年決定)。
- 受取人の確認・見直しは、いますぐ無料でできる基本的な相続対策。離婚・再婚など家族関係が変わった際は必ず見直す。
参考文献(一次情報)
- e-Gov法令検索「相続税法(昭和25年法律第73号)」第3条(みなし相続財産)、第12条(非課税財産)、第15条(遺産に係る基礎控除)、第18条(相続税額の加算) https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000073
- 国税庁タックスアンサー No.4114「相続税の課税対象になる死亡保険金」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4114.htm
- 国税庁タックスアンサー No.4126「相続税の課税対象になる死亡保険金(非課税限度額)」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4126.htm
- 国税庁タックスアンサー No.1750「死亡保険金を受け取ったとき(所得税)」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1750.htm
- 最高裁判所 平成16年10月29日 第二小法廷決定(死亡保険金と特別受益の持ち戻し) https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=52521
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